新仏様のお正月  巳午 「みんま」

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12月第一の巳の日に行われる新仏様のお正月

 愛媛県でも特に中予地方に残る独特の伝承行事である「みんま」は、その年亡くなった人の正月の意味を持つもので、該当するたいていのお家で行われています。
 
 巳正月とも呼ばれ、四国地方に古くから伝えられているおり、12月の第1巳の日または、第2巳の日に近親者が集まって、お正月のようなことを行います。また、東予地方では、辰の日に行われるため「辰巳」とも呼ばれています。
 
 みんまの過ごし方や行い方は地域によって異なりますが、いずれにしても、ふだん行わない奇抜な内容が多く、それまでの状況を断ち、けがれを打ち捨てて清浄な気持ちで新年を迎えたいという言われもあります。しかしながらこれといった決まりは無く、思い思いに故人を偲ぶ良き日とすればいいでしょう。

 


表書き 御仏前●おぶつぜん
お包みを持参するときは、「御仏前」、黄白の袋で「御供」などの表書きが多い。仏様のお正月だから水引は紅白で、表書きも「お年玉」のところもある
平成25年は12月5日・17日・29日です
みんま餅の商品案内

 なお、12月の第1の巳の日までに亡くなっても、四十九日の忌明け法要がすんでいない新仏様のみんまは、翌年に行われることが多いよう。

 この行事の由来に関しては、諸説があり、戦国時代、高縄半島を中心に勇猛を誇った武将たちの出陣の祈りで、生きて祝えないかもしれない正月を一足早く12月の巳の日に祝ったという説や、秀吉の朝鮮出兵の帰途、高浜町の海岸で、戦死した兵士を弔うために餅をつき、それを朝鮮に向けて供え、後で皆が竹に餅をさして食べた慣習が残ったという説が有力ではないかと考えられている。
 
 特に若い世代の方には、馴染みのない「みんま」だが、新仏様の供養の意味でも、ぜひ覚えておきたい習慣。特に招待されることはないが、血縁者はその時期が来たら執り行う慣習は根強い。参列する場合、喪服の必要はないが、落ち着いた色の服装がよい。

    準備するもの
みんま餅 
当日朝に搗いたものを用いることが多い。お墓に持っていって火であぶり、皆でちぎり分けて食べるため、比較的薄く、小さめなものを用いる。
しめ飾り・杖・草履
葬儀社さんでも取り扱っていることが多い。